皆様、こんばんは。

本日は「東海S」の有力馬分析を行いましょう。
昨日と同じく全6頭が対象です。

アングライフェン
ダート1900m以上【2-3-1-2】に対し1800m以下【0-1-0-4】。例えば京都ダ1900mや阪神ダ2000mなどはコーナー部分で顕著に緩む傾向があって、1800m以下戦と比べて緩急が生まれがち。前半の基礎スピード不足が原因で先行して全く良い所がなかった大沼S以降は後方で脚を溜める形を採り続ける同馬にとって、ラップが緩む地点で前に取り付きやすいということが1900m以上戦で良績を残す一因と言えるでしょう。逆に言えば全体にラップが上がって極端に緩みにくい1800m以下戦で苦戦するのは当然と言えますし、前後半46.6‐50.1秒とかなりの前傾戦だったみやこSでも、前後半49.2‐48.3秒とみやこSとは真逆の流れになった2019東海Sでも馬券に絡めない事実を考えると、1800mのG2戦で好走するパターンを見出すことは難しいと言えます。唯一の望みは雨馬場。ダート稍重以上では【2-2-0-0】ですから、馬場が悪化すれば好走の目は出てきます

スマハマ
デビュー戦が最内枠スタートで1角までに砂を被って分かりやすいほどに嫌がった経緯。母父アフリートの影響が強い揉まれ弱い馬というのは、このデビュー戦ですぐに分かりました。その後は鞍上が揉まれない位置での競馬を徹底したことで、前述の新馬戦以外で馬券内を外したのは前後半46.6‐50.1秒と超前傾戦になったみやこSだけという安定した成績を残しています。ただ東海S以降は説得力あるパフォーマンスを見せたことがなく、東海Sでは最速地点でインティにぶっちぎられたようにトップスピードのレベルに疑問符が付いた一戦。前走ベテルギウスSではラスト1Fでワイルドカードに捻じ伏せられたようにトップスピードの持続力に疑問符が付いた一戦。名鉄杯こそ勝ち切りましたが、あの週は夏の中京ダートの重馬場で強烈な前有利のバイアスが掛かっていた馬場。そんな馬場をスローで逃げながらジョーダンキングに0.1秒差では誇れるものではないでしょう。東海S以降の4戦で感じさせたのはスローからの後半性能を問われる流れではトップクラス相手には一枚落ちの感が強いこと。かと言ってペースが上がったら上がったでハイペースのみやこSがあの結果ですから、やや八方塞りの感があります。冒頭に書いた通りの揉まれ弱さで立ち回りも簡単ではない状況でそこそこ人気も集めるとなると、買い要素を見出すことが難しいというのが現時点での評価ですね

ヴェンジェンス
スローの前走でもそれなりは走れましたが、瞬発力ではキングズガードに見劣ったように基礎スピードの高さを活かせる前傾戦でより高パフォーマンスを見せられる馬。揉まれ弱い面があるため、ハイペースだと馬群がバラけやすいという利点もあります。その揉まれ弱さについては、レースを投げてしまうほどではないものの、6,7走前にはかなり行きっぷりが悪くなったように砂を被らない形がベターであることは事実。幸Jは6走前に同馬に久々に跨って成長を感じていないと見るや、以降は砂を被らせない大外に誘導することを優先事項として競馬を進めています。必然的にロスのある競馬になりますが、それが通用するのはOP特別まで。2走前こそ外目を捲って重賞勝ちを果たしましたが、あれは極端なハイペースと4角インでかなりごちゃついて不利を食らった馬が複数居た恩恵があったもので、かなりうまく行った一戦。G2メンバーだとそう簡単にはいかないでしょう。ただペースが上がると確実に能力を発揮出来る馬でもあり、ハイペース想定なら簡単に消せないのも事実。内から一旦外に持ち出す内枠よりも枠なりで進められる外枠がベターで、7・8枠配置時は【4-2-1-1】と馬券外に沈んだのはG1チャンピオンズCのみ

インティ
淀みないペースで先行しながら後半の要所で一脚使って後続を引き離し、そのまま惰性で逃げ切るという形が同馬のベストパターン。平均的に速いラップを踏みながら一脚使える能力は特筆すべきもので、こういう理想的な競馬をすることが出来る馬は大崩れしないのが普通です。それでも2,3走前に大崩れしているのは気性面に危うさを抱えているからに他ならず、その元凶は母父父のアフリート。揉まれ弱さと気難しさの代名詞とも言えるこの血が同馬から安定性を奪っています。前に馬が居る形ではエキサイトする傾向があって、控える競馬になった2~4走前は前半からエキサイト。特に帝王賞とみやこSの掛かり方は相当なもので、流石にあの形になると失速するのも当然です。一方で前走は久々の単騎逃げになりましたが、あのように自分の型で走らせれば強いことを改めて証明したレースになりました。ということでここも展開が全てですが、アイファーイチオーとスマハマという同型の存在は厄介。特にゲートが安定しない馬ですから、これらより内枠配置になった場合には危険度は増すと言えるでしょう。また当然狙いはフェブラリーSのはずですから、今回は本番に向けて再度控える競馬を試す可能性がなくはない状況を考えると、重い印を打つのは怖いと感じるのが現状の素直な感想です

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近走では大きな着順もありますが、そんな馬柱の印象よりは安定して能力を出せる同馬。近走での大敗については、前走は強敵相手&前後半48.7‐47.7秒のスローで物理的に間に合わなかったことに加えて、直線ではモタれる面も見せていたように左回りにも疑問符が付いた敗戦。2走前は陣営も認める連戦による疲労で動けなかった敗戦(調教時計も奮わず)。7走前は阪神2000mらしく4F目から14.1‐13.0秒と緩んだところで猛烈に掛かってしまって末を無くした敗戦、とそれぞれに敗因は明確です。それ以外では概ね崩れず走れており、中でも流れが向いた3走前・6走前ではトップレベル相手にも通用するだけのパフォーマンスを発揮しています。その3走前は2F目以降減速ラップを踏み続ける流れを差し切り。6走前は中盤3Fに亘ってペースが緩んだことによって労せず前との差を詰めつつ勝負所に入れたという利があっての好走でした。当然今回も好走には展開利が必要だと言えますが、逃げ馬が揃ってタイトな流れになりそうなのは願ったり叶ったり。これなら3,6走前の再現があって不思議はないでしょう

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同馬について語るべき点は2点で、まずは母父譲りの揉まれ弱さがあって砂を被ると極端に嫌がる面があること。前走も3走前も砂を被ると分かりやすいほどに嫌がって進んで行かず、前走のように逃げ場が無く砂を被り続ける形になると全く競馬になりません。直線に入ってからは砂を被らない位置に誘導出来ましたが、ゴールまで一度も手前を替えなかったことから分かるように、直線に入った段階で既に馬がやる気をなくしていました。 もう一点の特徴は強烈な基礎スピード型だと言うこと。2走前が典型ですが、このレースが前後半47.3‐49.9秒のハイペース。5・8・10人気の差し馬が上位入線したように差し馬に流れが向いたレースでしたが、そんな流れを砂を被らないように出して行きつつ、そのまま押し切った強い内容。基礎スピードに優れているためハイペースを追走しても脚が削がれませんので、ペースが流れるのは大歓迎。一方でスローな流れから一脚使えるかは未知です。 今回はインティ・スマハマ・アイファーイチオーと逃げ候補が揃ってペースが上がりそうなのは歓迎で、2走前のパフォーマンスを発揮出来れば今回のメンバーでも通用するはずです。ただそれも真ん中から外枠配置で砂を被らずに運べることが大前提。内枠配置では評価を下げるor消しということになります。尚、鞍上変更になりますが、こういう繊細な馬には敏感な鞍上なので問題なし

本日は以上です。
明日は2重賞の追い切り分析を行います。