ダノンザキッド
デビューから3連勝でG1ホープフルSを勝つ。皐月賞では1人気の支持を集めたが15着に敗れレース後に骨折が判明して以来の復帰戦となる。安田隆厩舎の芝2000m以上の重賞勝率は3.1％と低い。そんな背景がある中でシルヴァコクピット以来2頭目の芝2000m重賞(しかもG1)勝利というのは能力の高さの裏付けと言えそう。ちなみに安田隆厩舎の芝1800m以下重賞成績は36勝、勝率12％となっていた。中距離以上の重賞を苦手としている厩舎というのがよくわかるデータだったのが、ディープインパクト産駒×安田隆厩舎×重賞で絞ると未勝利だったことで、これにはちょっと驚いた。逆にロードカナロア、キングカメハメハ、クロフネの産駒での芝1600m以下重賞の成績を見ると2016年以降の単適回値がすべて100％を超える安定ぶりだったことにも驚いた。得意分野に矛先を変えて、ここからマイルチャンピオンシップを目指すと思われるので先々を見るという意味でもここでの走りには注目しておきたい。
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近2走でチャレンジしたクラシックディスタンス付近の距離はレース内容を見ても明らかに適正外。父ロードカナロア×母キストゥヘヴンの血統背景やニュージーランドトロフィー2着好走＆NHKマイルカップの内容からマイルがベストの可能性が高い。そのNHKマイルカップは直線で詰まる不利があり、さらに伸びない内に追いやられてしまい厳しい競馬になってしまった。不利がなければソングラインとの差はもう少し詰まっていただろうし近走の馬柱の汚れ方で嫌われるなら狙ってみたい。
ボンセルヴィーソ
マイルでは勝ち星こそない馬だが、そこが盲点になって度々穴をあけている点はおさえておきたい。前走はお試しダートで度外視出来るし、2走前も実績の少ない芝1200mでチャレンジ的な出走だった割に内容は悪くはなかった。もともと夏場は成績が落ちる傾向があったので季節がガラっと変わった今週は変わり身があるかもしれない。最初に書いた通りマイル戦では勝ち星こそないものの穴を多々あけており6日目くらいまでの馬場状態で前有利な傾向が条件付きであっても少しでも残っているようであれば押さえておきたい。
ソングライン
近2走はNHKマイルカップ2着、関屋記念3着と好走を続けている。特にNHKマイルカップでのシュネルマイスターとのハナ差2着の価値は高い。3歳で伸びしろに期待するところが人気先行につながりそうだし関屋記念で負かされたロータスランドとの斤量差が詰まる事を踏まえると期待値は低そう。オッズ次第でどうするか判断してもいいかも。ただ、次のようなデータもあるので軽視は禁物か。①NHKマイル出走実績がある②3歳で関屋記念3着内実績がある → 以上2条件を持っている馬の関屋記念以降の3～4歳期間における芝1600m重賞成績が 3-2-2-6 単回値130 複回値130 と優秀で、該当馬は3～4歳の期間のどこかで必ず芝1600m重賞で好走していた。特に5人気以内だった場合は 3-2-1-2 と取りこぼしも少なく好走傾向だったので類似状況を持っているソングラインについてしばらくは芝1600重賞という枠においては注目していきたいし、今回は想定でもいきなり1人気なのでなおさら軽視はできなさそう。
ロータスランド
サマーマイル女王。夏の上り馬で関屋記念の勝ち馬。夏場をコンスタントに使われていた(特に2番手から出し切る内容を続けていた)ので一息入れてどこまで回復しているかは気になるところ。参考までにロータスランドのローテと類似する次のような状況データを調べてみた。①同年に6戦以上消化②前走重賞組③間隔＝8週以上④富士S出走 → この4条件に該当した馬は 1-0-0-19 と不振傾向だった。このデータの中には1人気2頭(エアギャングスター9着、サトノアーサー9着)も含まれていた。この類似データを見ると一度仕上がり切って重賞を使われた馬が一息入れて立て直して来るには間隔が短すぎるという事が言えるのかもしれない。すべての馬に当てはまる事はないにしてもこのローテーションを踏まえて状態をチェックした上で取り扱い(軸なのか紐までなのか切るのかなど)を判断した方が良さそう。力をつけてきた4歳馬ということで飛びつきたくはなるがそこは冷静にジャッジしたい。
ザダル
前走の新潟記念は馬場状態が不利だった内枠でハンデも厳しく度外視。東京コースは好走率が高くデビュー以来のマイル戦になるが期待したい。
以上「富士Ｓ 2021 注目馬」でした。
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