皆様、こんばんは。

今週は「キーンランドC」「新潟2歳S」の2重賞。
共に頭数も揃いそうで楽しみなレースですが、書きたいことが多い「キーンランドC」から取り上げたいと思います。

まずは過去5年のレースラップから
キーンランド1
スプリント重賞ですからスローで流れることは無いわけですが、例えばスタート後下りでほぼ前傾戦になる中山1200mなどと違って、平坦札幌らしく前後半バランスは年によってバラバラ。
その前後半バランスについて知っておきたい傾向がひとつあります。

キーンランド3
これは札幌開催過去10年分の前後半ラップを前後半差1.0秒以上(上4つ)と0.9秒以下(下6つ)に分けたもの。つまり上がハイペース、下が平均ペースとなります。
右側に上位入線馬の3角位置を併記していますが、ハイペースの年ほど前残り傾向であることが分かります。
(3角4番手以内馬占有率)
ハイペース年→75.0%
平均ペース年→44.4%

普通なら「ハイペース=前崩れ」となりそうなものですから、この逆転現象には理由があるはずです。

それは、まず札幌コースがコーナー径が緩いコースであるということ。
函館のようにコーナー径がキツいと自然とコーナーでラップが落ちます。ただ先行馬はラップを落とすと後続との差が縮まるので、勝負所でもあるコーナーでラップは落としたくありません。過負荷になってでもラップは維持したいわけで、そうなるとラスト1Fで歪がやって来ます。
ということは言うまでもなくコーナー径が緩いコースはその逆で、径がキツいコースよりもコーナーの負荷は小さくなります(あくまで相対的な話)。

札幌コースのキーンランドCにおけるラスト2-1Fの失速幅が平均0.3秒(過去10回)なのに対し、函館コースの函館SSのそれは0.6秒(過去10回)
つまり、函館ではコーナーで過負荷になるが故に先行馬は直線で失速しやすく差し馬の餌食になりやすいです。対して札幌ではコーナー径が緩いことでコーナー負荷は小さく、直線で余力を残せるので減速しにくいという仕組み。

それから先行馬の性質にも言及しなければいけません。
先行馬はテンのスピードに優れているから先行馬なのであって、裏を返せば瞬発力に欠けている馬達です。つまり溜めてもキレないわけです。
ハイペース年における先行馬の上がり3F平均タイム=35.3秒
平均ペース年における先行馬の上がり3F平均タイム=34.8秒

※10着以下大敗馬はデータの精度が落ちるので除いています

ペースが落ちようが使える上がりタイムはハイペースのそれより0.5秒しか上回れていません。ならば道中のペースを上げた方が得策です。
なぜなら、差し馬(の騎手)は「小回り&直線平坦&直線が短い」というコース特性を意識してある程度前に付いて行きますから、ペースが上がれば上がるほど追走に脚を削がれて本来使えるべき脚が使えないという副産物を生むからです。

これらの理由により「ハイペース=先行馬有利」という傾向になっていますので、ペース予想がとても重要なレースになってきます。

キーンランド2
こちらは過去5年の3着内好走馬一覧。
とにかく目立つのが牝馬(赤字)の好走です。
過去10年で【6-3-5-35】勝率12.2%(単回値102円)連対率18.4%、複勝率28.6%(複回値93円)
近5年では【4-3-3-16】勝率15.4%(単回値172円)連対率26.9%、複勝率38.5%(複回値124円)とハイアベレージで好走率は牡馬の3倍以上。単複ベタ買いでプラスですから、牝馬は全部買っておいてよいぐらいでしょう。

ちょっとここまでで長くなってしまいましたので、続きはまた次回に。

本日は今日の記事を前提に狙いたい馬と危険馬をご紹介して締めたいと思います。
まずはこの馬
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中央競馬ランキング
「人気ブログランキング」内ブログ紹介文に月曜日限定で馬名を記載しておきます(10位ぐらい)
激流ペースでの好走多数でハイペース歓迎。出来れば鞍上は乗り慣れたあの騎手良かったですが、とにかく無駄に外を回さないこの騎手なら同馬に手が合いそうですし問題ないでしょう(札幌記念も好騎乗でした)。牝馬の中ではこの馬を最重要視したいですね

一方で危険人気馬がこの馬
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最強競馬ブログランキングへ
「最強競馬ブログランキング」内ブログ紹介文に月曜日限定で馬名を記載しておきます(6位ぐらい)
左回りが敗因のひとつだった前走はともかく、1400m以下での好走は全てイーブンラップかスロー瞬発戦という同馬。前後半34.8‐36.5秒の新馬戦で1人気を裏切り、4走前も同33.7‐35.7秒のハイペースで1人気を裏切りペイシャフェリシタレベルと大接戦という始末。瞬発力がストロングポイントということは衆目の一致するところで、あまりにハイラップになった時には一抹の不安があります。G1出走の賞金は足りている状況でここは叩き台でしょうし、それも含めて大いに嫌いたい1頭です