■第66回日経賞(GⅡ)

1953年に5歳(現4歳)以上・別定重量による重賞競走として創設された「日本経済賞」が本競走の前身。1979年に現在のレース名である「日経賞」に改称された。創設当初は6~7月に中山競馬場・芝3200メートルで行われていたが、幾度かの開催場・開催時期・距離の変更を経て、1967年に距離が現行の芝2500メートルに変更された。また、1984年以降は3~4月の中山開催に繰り上げて行われるようになったため、本競走は天皇賞(春)を目指す馬にとって重要な前哨戦に位置付けられた。なお、2014年より本競走の1着馬に天皇賞(春)の優先出走権が与えられている。
※上記JRAレースの歴史より抜粋

■第66回日経賞(GⅡ)

同コース、同距離施行の過去20年分のデータより以下ファクターからの分析結果を見ていきますが、2014年から1着馬に天皇賞(春)の優先出走権が付与されているため、近況の傾向とも比較して分析を行って参りたいと思います。


人気からの傾向です。1番人気の連対率が47.4%、2番人気が31.6%と信頼度は決して高くはありませんが、基本的な連対分布は上位に偏ってはいます。7番人気が3連対、9番人気、11番人気が2連対の実績もあり、2014年からも1番人気は1勝、2着1回、4番人気は2勝、連対分布も10番人気まで及んでいるため、マイノリティについてもフォローしていく必要がありそうです。平均単勝配当4268.5円、平均馬連配当18203.7円となっており、最高単勝配当は、1998年「テンジンショウグン」で、35570円(12人気)で、最高馬連配当も1998年「テンジンショウグン」「シグナスヒーロー」(7番人気)の組み合わせで213370円の大波乱となっています。天皇賞前哨戦としては、阪神大賞典とは大きく異なり、波乱含みのレースといえそうです。



脚質、4角ポジションからの傾向です。例年ペースはスローで、3角よりペースが上がり、ゴールまで11秒台ラップを刻む、上がり勝負の傾向にあります。
しかし、今回もそうですが、この時期の中山芝コースは例年傷んでおり(例年Aコースを使用)、場所によってはダートコースのようで、後方からの競馬は圧倒的に不利です。最低でも4角手前で7,8番手にはつけていないと、ほぼ届かないといえます。面白いデータとしては4角1番手で通過した場合の連対率は36.8%、複勝率も42.1%となっており、下手な人気馬に流すよりは、4角で先頭に立てそうな先行力のある該当馬を選んだ方が得策ともいえます。展開シュミレーションはこのレースの重要なファクターといえそうです。


前走レース間隔からの傾向です。3週間隔の連対実績は2勝、2着2回と計4回ありますが、2002年「タップダンスシチー」も御堂筋ステークス(1600万下条件)1着から同レース優勝の他、2002年「アクティブバイオ」が御堂筋ステークス(1600万下条件)を25週の休み明けの2着、1998年「セイウンエリア」がサンシャインステークス(1600万下条件)1着から同レース2着と、全て昇級戦となっています。2週間隔の連対実績は、単勝最高配当該当馬、1998年「テンジンショウグン」で阪神障害ステークス(オープン)9着から同レース優勝と、1996年の同レースで3着の実績はあったものの、とてもデータからは説明し難い結果となっています。
近年の連対実績からは、ジャパンカップ(GⅠ)からの18週間隔が最長で、5週~18週間隔以外のローテーションについては、大幅な割引、もしくは消しの材料で問題ないと思います。このタフなコースを長期休養明けで好走するには、ポテンシャルだけでは厳しいといえそうです。



前走レースと着順からの傾向です。有馬記念(GⅠ)、アメリカジョッキークラブカップ(GⅡ)、日経新春杯(GⅡ)からのローテーションが主流といえます。近年もこのレースの好走馬が連対する傾向にありますが、他のGⅠ、GⅡレースを凡走していたとしても、連対実績はあるため、出走実績から、同コースの実績や距離適正なども見た上で、取捨選択を行う必要があります。前走大敗の場合は、割引材料ではあるものの、即消しの材料ではないと、お伝えしておきます。

「タップダンスシチー」は同レース3走前に1000万下条件クラスながら日経新春杯(GⅡ)に出走し、0.2秒差の2着、「アクティブバイオ」も条件馬ながら札幌日経オープン2着、函館記念(GⅢ)3着、ステイヤーズステークス(GⅡ)、札幌記念(GⅡ)出走など既にこのクラスでのポテンシャルを発揮しており、条件クラスからの昇級馬の取捨選択時には、このクラスで戦えるだけのポテンシャルが必要で、最低限重賞出走、オープンレース好走くらいの実績は無いと同レースの連対は厳しいかもしれません。また、余談とはなりますが、砂短(satan)は重賞レースのデータ分析時に立証が不可解なものや、考察結果が成り立たない場合、騎手や馬番、極端なインスタントデータによるフィルターなどに頼るケースがあります。このレースで1番不可解なのは「江田照男」騎手です。正直このレースに限らずですが、中山施行のレースで、砂短(satan)的には不可解な1番手として同騎手がおり、同レースにも2012年「ネコパンチ」(8番人気)や前述の1998年「テンジンショウグン」の例があります。1枠1番、もしくは逃げそうな馬に江田照男騎手が騎乗するようであれば、迷わず買いをおすすめします。

記事を書いた時点で、期待をしておりましたが、残念ながら江田照男騎手の出番はありませんでした。無駄な余談とはなりましたが、気を取り直し、砂短(satan)の推奨馬は以下の通りです。

砂短(satan)の推奨馬
砂短(satan)
「ガンコ」「ショウナンバッハ」「ソールインパクト」「チェスナットコート」「トーセンバジル」「ノーブルマーズ」「ロードヴァンドール」の7頭です。

※以下補足
※「アクションスター」の近走は近走全て1秒以上離されて敗れており、また、連対実績の無い、重賞レース出走からの2週間隔のローテーション。中山コースが得意な訳でもなく、実力的にもデータ的にも買える要素がないため、推奨馬より除外しております。
※「ガンコ」は前走松籟ステークス(1600万下条件)を0.6秒差と快勝。前々走は52kgではあるものの、日経新春杯(GⅡ)を0.2秒差の3着と好走しており、芝レースを使い始めてから、一気に本格化の兆しが見えます。2002年「タップダンスシチー」とローテーションが類似している点もデータの後押しがあり、且つ先行脚質は同レースに有利に働くとみて、推奨馬とさせていただきます。
※「キセキ」は昨年の菊花賞馬で、香港ヴァーズ(GⅠ)出走からのローテーションになります。1番人気になりそうなことくらいでしかデータ的には買いの要素は無く、実力は認めるものの、脚質も日経賞向きとはいえません。この条件でここを快勝するようであれば、天皇賞春(GⅠ)も面白いとは思いますが、今回は、いいとこ3,4着の入着候補、連下以下の評価でしかないことから、推奨馬より除外いたします。
※「サクラアンプルール」は中山記念(GⅡ)4着からのローテーションとなります。中山コースでの良績はあるものの、2000m以下の連対実績は全場所通じてのものであり、有馬記念(GⅠ)を見る限り、この距離での好走イメージはありません。中山記念(GⅡ)からのローテーション、及び蛯名騎手の選択を考慮し、推奨馬より除外させていただきます。
※「ショウナンバッハ」も「サクラアンプルール」同様の中山記念(GⅡ)からのローテーションになります。後方から毎回のように良い足を使っていますが、全9走は全て1秒差内で連対も無く、少し運もないような結果となっています。今回はミナリク騎手へ乗り替わり、道中のポジションや足の使いどころに変化がある可能性もあり、連対圏内を期待できる要素があります。ここで駄目なら、頭打ちとなりますが、穴馬候補として推奨馬とさせていただきます。
※「ソールインパクト」は連対実績のあるローテーション、他のデータも含め及第点にあり、距離短縮も同馬にとっては有利な要素とみています。東京コースの方が合っているとは思いますが、極端な上がりの勝負になればこのコースでも勝負け出来ると判断し、推奨馬といたします。
※「トーセンバジル」も「キセキ」同様の香港ヴァーズ(GⅠ)出走からのローテーションになります。同馬は3着と結果を出しており、大崩れがないのが強みとなります。昨年の京都大賞典くらい走れば、ここでも勝負けですが、鞍上のM.デムーロ騎手が選択するポジションが唯一気がかりです。回復も心配されていますが、21日の調教で多少動いたのを考えれば、入着くらいはあるとみて、推奨馬といたします。
※「ノーブルマーズ」は迎春ステークス(1600万下条件)優勝からのローテーションになります。デビューから全て高倉騎手騎乗で、安定した先行力は魅力です。唯一の懸念点はローテーションで、昇級初戦の連対実績は3週以内となっており、同馬は放牧を挟み、実力馬並みの11週間隔での出馬となります。勝負けまでは試金石にはなりますが、大崩れはないとみて、推奨馬といたします。
※「ロードヴァンドール」は日経新春杯(GⅡ)2着からのローテーションで、唯一、提示したデータ上の懸念点がない該当馬となります。おそらく同馬が逃げて、ペースを握ることになるため、展開も有利に働くとみていますが、間隔を開けたことが同馬の好走実績を考慮すれば、不安要素にはなるのでしょうか。行ってどこまでの展開にはなりますが、鞍上は横山典弘騎手で「外枠に入らず、道中スローに落とせば」と条件付にはなりますが、推奨馬といたします。

砂短(satan)
最終決断はこちらよりご覧ください。
※障害競走・地方開催の重賞は含みません
※予想結果(予想印)につきましては、最強競馬ブログランキング(※外部サイト)で03月23日正午より閲覧可能です。

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