■第48回高松宮記念(GⅠ)

1967年に4歳(現3歳)以上・別定重量の重賞競走として創設された「中京大賞典」が本競走の前身。その後、1971年に高松宮殿下から優勝杯を賜ったのを機に「高松宮杯」に改称され、中京競馬場・芝2000メートルを舞台に、夏の中京開催を飾る中距離の名物競走として行われていた。1996年の短距離競走体系の改善に伴い、本競走は開催時期が5月に繰り上げられ、負担重量を定量に、距離を芝1200メートルに変更の上、GⅡからGⅠに格上げされた。これにより、中京競馬場初のGⅠ競走が誕生し、「高松宮杯」は春のスプリント王決定戦として位置付けられた。その後、1998年に現在のレース名「高松宮記念」に改称され、さらに2000年に3月の中京開催の最終週に移設されたことで5歳(現4歳)以上の競走に変更となった。
※上記JRAレースの歴史より抜粋



■第48回高松宮記念(GⅠ)

2000年に3月の中京開催の最終週に移設後の同コース、同距離施行の過去17年分のデータより以下ファクターからの分析結果を見てみましょう。


人気からの傾向です。1番人気、4番人気の勝率が29.4%と抜けています。連対率は2番人気の47.1%が抜けており、連対分布は4番人気以内に偏っています。平均単勝配当662.4円、平均馬連配当6066.5円となっており、頭は人気サイド、連下は中穴程度が馬券予想のオッズレンジになると思われますが、複勝圏内になると16番人気まで分布しているため、思わぬ伏兵が入り、3連単、3連複など高配当が期待できる要素は十分にあるため、穴党のユーザー様は参考にしてみては如何でしょうか。最高単勝配当は2000年「キングヘイロー」(4番人気)1270円で、やはり、連軸の頭は4番人気以内の上位人気に絞った方が得策といえそうです。


馬番からの傾向です。内枠有利説もありますが、実際には4,5,6番に優勝馬が固まっているだけで、全体的にはさほど偏った分布にはなっていません。大外枠の優勝実績もあり、特に気にする材料ではなさそうですが、過去連対実績の無い、2番と16番については鬼門番号としてお伝えをしておきますが、砂短(satan)はもちろん度外視の方向で、ファクターには含めない予定です。



脚質、4角ポジションからの傾向です。先週のファルコンステークス(GⅢ)と先行、差し有利の傾向は似ていますが、どちらかというと前傾寄りです。さすがは歴史に名を刻む名スプリンターも走るだけあって、強力な先行力だけでなく、スタミナも兼備していることも多く、相当な前傾ラップでも押し切る展開が多く見受けられます。ここ3年も先団から押し切った馬が優勝しており、特に2016年「ビッグアーサー」については2,3,4ハロン目が10秒台ラップを、終始4番手追走、上がり33.4秒、勝ちタイムは1分6秒7と破格のタイムで勝っています。逃げ馬を絞れば凡そのラップは推測出来るため、後方からの競馬になりそうな有力馬については取捨選択の重要ファクターになるかもしれません。


レース間隔からの傾向です。連闘、2週、26週以上の休養明けからの出走ケースでの連対実績は無く、また10週以上のレース間隔を明けての出走ケースでは、優勝実績がありません。コンスタントにレースを使っている、もしくは休養明け2戦目のケースで連対実績の偏りがあるため、出走馬のローテーションには注視していく必要がありそうです。調教結果を中心とした臨戦過程と併せて、考察していく予定です。



前走出走クラスと着順からの傾向です。下級クラスから出走ケースの連対実績はありません。また、オープンクラスで5着以下に敗れている場合は連対率が極端に低くなっています。前走GⅢレースをステップとしたローテーションが多くの連対実績を残していますが、該当馬は述べ224頭とサンプルが多いためで、連対率は12.1%と決して高くはありません。連対率でいえば優勝馬こそ出ていないものの、2連対、連対率18.2%とGⅡレースの方が高い数値となっています。とはいえ、阪急杯(GⅢ)、シルクロードステークス(GⅢ)、オーシャンステークス(GⅢ)を主軸に、フェブラリーステークス(GⅠ)、海外GⅠレースをローテーションとする出走馬がほとんどになると思われるため、クラス別着順や前々走の結果、同コース実績など、もう少し細かいデータ分析をした上で、考察していく必要がありそうです。

※以下03/23追記
まとめとして、前走出走レースを6着以下に敗れた場合の連対実績は少なく大幅な割引が必要です。連対実績は3例で2000年「キングヘイロー」がフェブラリーステークス(GⅠ)13着後から同レース優勝、2010年「ビービーガルダン」が17週休み明けの阪急杯(GⅢ)を7着から、2007年「ペールギュント」(13番人気)は小倉記念(GⅢ)出走取り消し後、中山記念(GⅡ)を13着から同レース2着になります。
よほどの好材料がない限りは、割引だけでなく、即取り消しでも問題ないデータといえます。

上記より、砂短(satan)の推奨馬は以下の通りです。

砂短(satan)の推奨馬
砂短(satan)
「ブリザード」「レッドファルクス」「レッツゴードンキ」「ファインニードル」「ダイアナヘイロー」「ダンスディレクター」「ネロ」の7頭です。

※以下補足
※「セイウンコウセイ」は前年の覇者で、前走シルクロードステークス(GⅢ)を2着からのローテーションになりますが、今回は昨年同様のレース運びでは連対すら厳しいとみています。データ上は一見優等生なのですが、バックボーンにある時計の裏づけが非常に薄く、GⅢクラスの実力判断が妥当とみています。さらには予想時点で7番人気評価と割引要素が増えたため、今回は推奨馬より除外しております。
※「ブリザード」は昨年のスプリンターズステークス(GⅠ)5着が唯一日本のレース成績になりますが、香港の一線級のスプリンターで詳しい戦績は雑誌等でご覧頂ければ分かると思います。決してチャンピオンホースではありませんが、大崩れしない戦績はここでも驚異で、連下の評価であれば十分価値があるとみて、推奨馬といたします。
※「レッドファルクス」前走の阪急杯(GⅢ)は確実な余裕残しのひと叩きとみて無印。昨年の海外帰りとは違い、中間も順調で、昨年同様のポジショニングなら、差し切るのにおつりがくると見ています。今週から例年通り芝コースはBコースでよりタフなコースとなるのもプラスに向きそうで、鞍上も主戦のM.デムーロ騎手へ戻り、不安要素はありません。もちろん有力な推奨馬とさせていただきます。
※「ナックビーナス」は中山巧者で前走が目一の勝負と思われましたが、結果は54kgで2着と残念な結果でした。前走は◎も、相手強化、1kg増では、展開の利があっても足りないとみています。人気の後押しもなく、買える材料も見当たらないことから、推奨馬より除外しております。
※「レッツゴードンキ」は調教代わりに使ったフェブラリーステークス(GⅠ)を使い、良化気配も、今年は昨年同様に3ハロン目から多少緩くなる展開はなさそうで、昨年同様の足は出せないとみています。しかし、展開がはまった時には突き抜けても不思議ではないため、勝負けには展開の注文はつくものの、データ上の評価と、ポテンシャルを評価し推奨馬といたします。
※「ファインニードル」は前走シルクロードステークス(GⅢ)優勝からのローテーション。スプリンターズステークス(GⅠ)大敗後の休養明け初戦を勝っており、上積みがありそうですが、中京コースが非常に気がかりです。データ上は問題がないため推奨馬といたしますが、極端な前傾ラップになった場合は、脆さが伴うため、連下以上の評価はありません。
※「ダイアナヘイロー」は生粋のスプリンターで、前走は、叩き2走目の阪急杯(GⅢ)を逃げ切って優勝しています。ローテーション的には前走ほどの上積みはないとみていますが、多少の前傾ラップでも我慢出来るスタミナもあり、中京コースは有利とはいえませんが、大きな割引要素もないことから、推奨馬といたします。
※「ダンスディレクター」はレベルの高かった阪神カップ(GⅡ)を2着、もちろんタイム優秀で、中京実績も十分なため、問題なく有力馬ではあるのですが、前走後は13週を開け、ローテーション的に嫌いはあります。ただし、年齢的にも大きな上積みの期待はないものの、中間は順調に乗り込まれており、安定した末脚はここでも上位とみて、推奨馬とさせていただきます。
※「ネロ」は14週明けのオーシャンステークス(GⅢ)を逃げて4着。今回も圧巻の調教で上積みなのか、いつも通りの調教なのかは分かりませんが、好調には違いなさそうです。「レーヌミノル」と最後の取捨選択で迷った1頭にはなりますが、スプリント資質と上積みを取って、同馬と推奨馬といたしました。迷った「レーヌミノル」はGⅠ馬の実力は承知も、適正はマイル、毎回のように馬なり軽めの調教で、マイルチャンピオンシップ(GⅠ)の頃の出来にもないと判断しています。狙いは先のヴィクトリアマイル目一とみて、今回は見送り、推奨馬より除外しております。
※「ラインスピリット」は近況は先行策で安定したレースをしていますが、今年の淀短距離ステークス(オープン)のような、後傾ラップの先行馬有利の展開にならないと勝ち負けは厳しい実力といえます。持ちタイムや中京での実績も無く、流れが向いたとしても連対は厳しいとみて、推奨馬より除外させていただきます。

砂短(satan)
最終決断はこちらよりご覧ください。
※障害競走・地方開催の重賞は含みません
※予想結果(予想印)につきましては、最強競馬ブログランキング(※外部サイト)で掲載しております。

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